日記
ニンジンまだまだ収穫中です
ニンジンの収穫が2枚目の畑に移りました。
2枚目の畑は、長年耕作されていなかったところを借りて、今回のニンジンで2作目。
全体的にやや小ぶり、そして成育のバラつきが大きいです。
このバラつきは長年耕作されてなかった畑を使う時、初めの頃にはよくある事です。一枚の畑の中でのバラつきなので土壌分析でもなかなか分かりません
なので、一般的には最初は施肥をやや多目に、そして肥料に鈍感な作物を作るというやり方がとられる事が多いのかなと思います。
そういう意味では、ニンジンはちょっとしたチャレンジでしたが、やっぱりなー という感じでした。
この冬は雪が降る事が多く、畑が雪に覆われている時間が長いです。例年ですと、雪が積もったり融けて無くなったりと繰り返している事が多いのですが..
ずっと雪に覆われていると、朝晩の冷え込みからニンジンが守られるため畑での傷みも少なくて済んでいます。天然の保温材です。
特別栽培農産物表示を始めた理由
Ohana Farmのニンジンは、年明けから特別栽培農産物の表示を行っています。
特別栽培農産物とは、化学肥料と化学合成農薬の使用量が地域慣行基準の半分以下で栽培された農産物です。
この表示にあたっては、有機栽培と違って特に第三者の認証を必要とするものではなく、届出も必要ありません。完全に生産者の自主申告です。
ですが、実際にこの表示を行っている生産者はほとんどいません。感覚的で申し訳ないですが、実態としては直売所や産直コーナーで売られている野菜のかなりの割合がこの基準を満たしているにもかかわらずです。
この背景には、表示をしても販売上のメリットが感じられない、表示や管理のコストが見合わないなどの判断があると思います。それはそれで合理的判断と思います。
しかし、それで本当にいいのでしょうか?
今、世の中を騒がせているアサリの産地偽装の問題。こういった大きな問題はいきなり出てきた訳ではなく、生産。流通サイドと消費者との間にある1つ1つはごく小さなコミュニケーションの不全が元にあったと思うのです。
もちろん、全国を相手にする規模の生産・流通と消費では小さなコミュニケーションの積み重ねだけでは何ともならない部分もありますが、私のように小規模な生産者が何ともならないと同様の考えではいけないと思っています。
日頃から小さな情報の提供があって、その積み重ねで成り立たせるビジネス。これが規模感からしたまっとうなやり方と思って、今回、表示をする事にしました。
ところで、熊本産のアサリ。ほとんどの場合は十把一絡げで熊本産というだけで、まがい物扱いされてしまっていると思いますが、以前よりまっとうな熊本産を扱ってきてコツコツと商売をされてきた生産者はどの様な状況になっているのか、そこは大変心配なところです。
所さん!大変ですよ 肥料が!
昨日、市内にあるコメリへ行きました。コメダじゃないですよ、コメリです。
割とアイテムを絞った小規模な店舗のホームセンターで、農業資材も売ってます。だけど店舗数は多く、ホームセンターのコンビニ的な展開をやっているお店です。
毎年、秋になると大々的に肥料の予約を受け付けています。私のところも予約しておきました。3月に納品されます。
この冬は、大幅な肥料不足が報じられていますので、店長に予約の肥料は大丈夫か尋ねました。
どうやら、予約した分は概ね品物が確保できていて大丈夫なようです。でも..
「高度化成や普通化成(低度化成)、リン酸肥料は、予約分以外はもう入荷の目途が立ちません。最悪年内はダメかもしれません。店頭にあるのが売り切れたら終わりです」
と.. 年内はダメって、今まだ1月ですよ..
さぁ、多くの人の畑仕事が動き出す春以降、一騒ぎありそうです。
「化成肥料がダメなら有機質肥料を使えばいいじゃない?」
しかし有機質肥料は元々供給があまり安定しておらず量も潤沢ではありません。こちらも値上がり間違い無し。今はまだ、そこまで化成肥料の値上がりの影響が及んでないだけ。時期に値上がりします。
こうなってくると、単価が安く肥料をたくさん使う作物を作っている生産者は特にきついですね..トウモロコシ、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリーなど。
※画像はイメージです
とうもこしチャレンジ
今、ニンジンは特別栽培農産物として出荷しています。
特別栽培農産物とは、地域の慣行基準と比較して..
節減対象農薬の使用量を50%以上減
かつ
化学肥料(窒素成分で規定)の使用量を50%以上減
で栽培された農産物のことです。
慣行栽培品や有機栽培品との関係は、下の図のようになります。
ただし、現実のややこしいところは、栽培方法を基準とした「特別栽培農産物」と販売方法を基準とした「特別栽培農産物」に差がある点です。
栽培方法を基準として考えた場合は、下の図の肌色の部分が特別栽培農産物となります。
直売所やスーパーの産直コーナーで売られる場合は、緑色で囲った部分が特別栽培農産物として販売されます。
つまりこの場合は一部、有機農産物も含みます。
理由は、スーパーなど不特定の方へ販売するときは、赤枠で囲った部分の栽培方法で栽培した農産物しか「有機」とか「オーガニック」と称して売れないのです。なのでこの赤枠に入らない有機農産物は、その1つ下の特別栽培農産物と称して販売するしかないからです。
もちろん特別栽培農産物の表示は任意ですので、この条件に該当するからといって必ず表示しなくてはいけないという訳ではありません。というか、むしろ表示されずに販売されている方が圧倒的に多いと思います。
今年の夏、Ohana Farmがとうもろこしでチャレンジしようとしているのは、肌色の部分の特別栽培農産物になります。
トウモロコシといえば、虫が付きやすい作物の代表的なものです。実の先っぽにアワノメイガの幼虫が入ります。
その他にもオオタバコガやアブラムシなどもつきやすいです。
今まで、肥料を工夫したり殺虫剤の散布方法を工夫したりして、限られた農薬使用でできるだけ害虫の発生を抑える努力をしてきました。
そして、いよいよ「農薬の使用回数が半分以下でも何とかなるんじゃない?」という見通しが立ち始めというのが今の状況です。
で、ついに今年、農薬の使用回数を半分以下にしてみる事にチャレンジです。
いまくいくかは全くわかりません。ひょっとしたら、大ゴケするかもしれません。結果はいかに..
下の表は長野県における、トウモロコシの農薬と化学肥料の慣行使用量です。この半分以下の使用量を目指していきます。